2010年03月03日
日刊自動車新聞「人材育成の原点に戻って」
2010年3月3日
日刊自動車新聞に掲載されました
記事内容
人材育成の原点に戻って
自動車整備士の人材派遣事業などを手がけるレソリューション(東京都千代田区)が設立5年目を迎えた。創業から年間40〜50社のペースで提携先を順調に拡大し「関東圏では認知度が上がってきた」(廣谷旭社長)。次の5年では、現在の7拠点体制を拡大していくことで、新たなニーズの掘り起こしを狙う。「派遣から脱皮して独自のサービスを構築したい」と抱負を語る廣谷社長に聞く。(花井 真紀子)
ニーズは高まる
ーどの企業も採用を縮小する傾向にある
「採用ゼロという企業も多いが、採りたいが控えているという状態だ。その一方で、経営再建の中で切り過ぎたと感じているところもある。いずれも整備士数は確保したいというところ。派遣サービスはワンクッションおけるという点で利用も多い。将来的に見ても、少子化による大学への全入時代が来ると言われる中、整備士を養成する専門学校も減少する可能性がある。一方、新車に乗り替えず、長く乗ろうというユーザーが増加しており、整備のニーズは高まっている。危機感はどの会社にもある。将来的な採用方法の一つとしてニーズは高まるとみている」
ー業績が順調のようだ
「3期連続増収増益だったが、今期は売上高で1割減という状況。ただ、楽観はできないが、最悪期の底は脱したとみている。利用が増加に転じている。当初は新車ディーラーが8割程度となっていたが、用品販売店や民間の整備会社への派遣割合が増加していることで、売上構成でディーラーが6〜7割となった。また、あいおい損害保険や中古車買い取り大手など大きな業務提携もある」
研修制度を充実
ー〈派遣〉の社会的イメージはあまりよくない
「整備士の場合は、短期的な人員の補強のためというよりも、本採用を前提に派遣期間を試用期間と位置づけて、お互いの意志を確認するために利用するというニーズが大半だ。技術職の離職理由の一つに人間関係によるものがある。それは会社によって変わるもので、マッチングの問題だ。また新卒の整備士が将来の就職のための通過点として、スキルを上げながら正社員を目指す機会を提供したい」
ー今後の目標は
「国家資格を持ち、18歳で進路決断をするというのはすごいことだと思う。それにスポットライトを当てたい。整備士の地位向上を図るというのが企業目的の一つだ。そのため、人材教育の原点に戻り、研修制度の充実を図っている。今春からは新卒採用を積極的に行う。5年後にはスタッフの半数を新卒採用でと考えている。就職方法の一つとして学生にも認知されたい。いずれは独自の教育カリキュラムを持った専門学校を設立し、スキルをつけてもらって独立を手伝うなど、夢を持ってもらえるようにしたい」